スーツの「ステッチ」ってなに?
一般的に、スーツの衿のフチに入っているライン上の縫い目のことを指します。
衿だけではなく、フロントラインなどにも入っていることが多いです。
サーミッドフィールドでは、上衿・下衿・フロントライン・胸ポケット・腰ポケットにステッチが入ります。
ステッチの種類
もともと「ステッチ」は職人が手縫いで入れるものでした。
衿のフチにひと針ひと針刺していくことは、相当の技術が必要で、非常に手間がかかるものです。
そのため、現代ですべてのステッチをハンド(手縫い)で行うことは非常に稀で、フルオーダーでも限られています。
主流は、以下の2つのステッチ方法です。
ミシンステッチ
ステッチを入れる場合の、現代の比較的簡単な方法です。
もちろん、衿にステッチを入れること自体が難しいので、“比較的”簡単というだけで、技術が不要というわけではありません。
レディメイド(既製品)に多いですが、オーダーでももちろんご注文可能です。
ミシンで機械的に糸をしっかり通すので、ステッチが入る前と比べ衿が固めの仕上がりになります。
またミシン作業のため、ステッチを入れる位置を指定できることが多いです。
ハンドステッチと同じ衿のフチ部分ぎりぎり(フチから2mm)、フチから5mm、フチから7mmで選択可能です。
イメージとしては、
ステッチが衿のフチ(衿の外側)にあるほど上品さを感じ、
内側にあるほどカジュアルになります。
ですから、日常で着るようなカジュアルなジャケットをオーダーの際は、
ミシンステッチの7mmをお選びいただくのがおすすめです!
AMFハンド風ステッチ
AMFハンド風ステッチは、ハンドステッチの高級感ある風合いを、もっと簡単に手に入れるための手法として開発されました。
AMFとは、American Machine and Foundry(アメリカン・マシン・アンド・ファンドリー)社の略称で、
転じてAMF社が開発した特殊なミシンのことを指します。
この特殊なミシンは、ハンドステッチの凹凸感を再現し、従来のミシンステッチではできなかった手縫いのような衿に近づきました。
現在では、AMF社のミシンを使用していなくても
「AMFハンド風ステッチ」と呼ばれるほど、スーツのステッチと言えばAMFだと浸透しています。
おすすめする理由
以上、ステッチそのものについて解説しましたが、
ここからはおすすめ情報をお届けいたします!
理由1 強度
単純に、「衿の強度を高めてくれるため」というのが1つ目のおすすめポイントです。
ミシンステッチが入ることで、衿が少し固くなると述べましたが、
本物のハンドステッチにしてもAMFハンド風ステッチにしても、いずれにせよ全くステッチが入らないものと比べ、衿の感触は少し固くなります。
固いということは、その部分が密だということ。
糸で目がつまっているので、型くずれしにくくなりますし、擦れなどにも強くなります。
実際に展示されているステッチ有りの衿と無しの衿を触り比べてみていただけると、
なるほど、と思うこと請け合いです。
理由2 おしゃれ
もともとハンドステッチが非常に高価な装飾であったことは、高い技術と手間がかかることから想像ができると思います。
つまり、ステッチが入っていることは、良いスーツの条件であった時代があったということです。
この流れがあるので、より高級・上質・格式あるスーツにはステッチがあるもの、という感覚が社会に残っています。
「装飾としてのステッチが、良い印象をつくるため」というのが2つ目のおすすめポイントです。
現在でも、スーツを見る際にステッチの有無を見る、という方は多いため、
オプションに迷われたのであれば、これは付ける方が良いと強くおすすめしております。
ただし、葬儀等で着用する喪服としてのフォーマルスーツには、控えるべき“装飾”となるため付けませんのでご注意ください。
ベストにもおすすめ
スリーピーススーツ(ベスト付スーツ)をご検討の際は、ぜひベストにもステッチを!
上着を脱いだベスト姿でも、おしゃれに気を使っていることが分かります。
まとめ
何かオーダーらしいオプションがしたい…と迷ったら、まずは「AMFハンド風ステッチ」をおすすめします!
もちろんオプションは絶対必要!というわけではありません。
装飾を付ける場合、好みが分かれると思います。
オーダーの良いところは、まさにココ!
レディメイド(既製品)は決まった形しか選べません。
オーダーにおいては、自分の好みに選べること自体が、楽しい時間となるでしょう。
オプションに迷われたときのご参考になれば幸いです!
サーミッドフィールドでは、
ミシンステッチはジャケット・ベストともに無料、
AMFハンド風ステッチは、ジャケット+税込2,750円、ベスト+税込1,650円にて承ります。
2022/11/30